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LOCAL Vol,1

〈夢産地とさやま開発公社〉

​土佐山ジンジャーエール

2020,9,2

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CrazyAbou土佐の新たな夢として誕生した『∩LOCAL-キャップローカル―』。

それは、これからの未来を生きていく私たち若者が、

すぐそこに存在する地域との接点考えるきっかけを作るためのプロジェクト。

その第一弾は、高知県の中心部に位置する山間地域――土佐山にフォーカス。

 

そこは名前の通り、周囲を緑豊かな山々が囲み、

高知を代表する美しい川のひとつである鏡川の源流も流れる自然豊かな地域だ。

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そんな自然多き土佐山で、地域産業の中心的存在を担うのが

「夢産地とさやま開発公社」

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「土佐山ジンジャーエール」など生姜やゆず、四方竹といった

高知の特産品をはじめとする

さまざまな農作物の生産から加工、そして販売までを行っている。

農薬に頼らない自然の力を生かした有機農業にこだわり、

地域の人たちとともに「土佐山ブランド」を作り出すその営みは、

地域ならではの課題を抱えながらも、

その課題とどう向き合い、何を大切にすべきかという

私たちが生きていくために必要で、大切なことを教えてくれる。

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​川のせせらぎで目が覚める

   回お話を伺った「夢産地とさやま開発公社」

   (以下、夢産地)営業部の白石勲さんは、広島県出身。現在は、奥さんの実家がある土佐山で、家族とともに暮らしている。

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白石さんの家の目の前には川が流れ、「朝は川のせせらぎで目が覚める」のだそう。まるで映画のワンシーンを切り取ったようなこの日常の一コマに、自然の豊かさ、そしてその豊かさをそのままに享受できる環境が守られているという、土佐山が誇るべき魅力が詰まっているように思う。

 

そんな自然に恵まれた土佐山は、子どもたちを育てるための教育環境も良いと白石さんは言う。土佐山には、あまり知られてないが小中一貫の学校がある。土佐山の木を使った地域ならではの温もりある校舎、英語だけに限らない外国語教育の推進などを特徴とする恵まれた環境を、白石さんは「本当に羨ましい」とどこか感慨深げだ。

 

豊かな自然と同様、これから長い時間を生きていく子どもたちを育てる環境が守られていることも、大切な魅力のひとつ。自然と人、そのどちらも守り繋いでいくということは、私たちが生きていける社会をつくるということとも同じように感じられる。

 

そしてそれは、夢産地の取り組みのなかにもしっかりと生きている。

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コロナウイルスによる気づき 「直接、届けたい」

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2020年、新型コロナウイルス感染症の流行により、世界中がさまざまな変化を迎えている。

 

夢産地は、生協などもともと決まっているところへの出荷、宅配やカタログなどでの注文が多い。また、巣ごもり需要の影響もあり、その打撃は他の企業に比べれば少ないという。ただ、取り寄せやギフト需要が増えていくなかで改めて気づいたことがあるそうだ。それは、「自分たちが作ったものを消費者さんに直接お届けしたい」というもの。

 

ECサイトでの購入も含め、小売店などを挟まずに直接販売できれば、新鮮なものを適正な価格で売ることができる。畑も広くなく、あればあるだけ出せるわけではないが、それが一番したいことだという。それは、私たち消費者側も願ってもないことだ。

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​土佐山でずっと暮らせる環境を

​〈農業の未来を守る有機農業〉

夢産地の事業は、主に農作物の生産・加工・販売だ。その生産の部分を担う土佐山地域の農業は、農薬を使わない有機農業。それは昔、農薬を使用して栽培していたみょうがが病気にかかり、一夜にして一億円にも及ぶ産業が潰れてしまったことに始まる。白石さんは、「農薬を使用しても病気にかかるなら、農薬を使わずに野菜を作り、有機として付加価値を高めて売ろうとなったことが、この地域の野菜の売り方になった」と言う。

土佐山の有機農業は、自然に腐らせた葉を堆肥にし、それを畑に混ぜ腐葉土にするというような自然循環型のものだ。農薬の使用は土が痩せ、自然のミネラルも減ってしまう。しかし、それを防ぎ健康な土を維持すれば、質の高い「土佐山ブランド」の作物が生産できる。さらに、長く農業を続けられるということにも繋がっていく。

 

土佐山は高齢化により、畑の管理も行き届かないのが現状だ。そのため耕作放棄地も少なくない。だが、健康な土であれば、今後誰かが新たに農業を始めようとしたときにも安全に、良質な土地で始められる。そして、栄養価の高いものを作ることができる。

 

有機により土地を健康に保ち続けることは、農業の未来にも繋がるのだ。

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〈土佐山を持続可能にするビジネスモデル〉

若者の農業離れや高齢化など、地域として直面している課題に対して、「安定したビジネスモデルを作りたい」と白石さんは語る。そのひとつに、季節ごと、また年間でどれだけの収入があるのかというモデルを示す重要性を挙げる。

 

そうすれば、不安定なイメージのある農業も、若い世代の職業の選択肢の一つにもなりうる。また、「とさやま開発公社の事業を安定させて雇用を作り、土佐山でずっと暮らしていける環境を作ってあげたいというのが僕たちのミッションでもある」とも言う。

 

その手掛かりになるのは、有機農業を続けられる環境を整えること。また、農家さんが安定して質の良い作物を生産できることだ。そして、その作物を加工し販売するまでの全てを行う夢産地の取り組みも大きな役割を担っている。

 

もとは、行政や農協の手が届かないところをサポートする役割もある夢産地。実際に、作物の生産のために一定期間農家さんを雇い、高齢化した農家さんの作物を買い取りスーパーに卸したりしている。

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また、夢産地の加工商品の原料にするなどして、所得向上に一役買っている。「農業は天候にも左右されるため綺麗にはいかないかもしれないけれど」と白石さんは言うが、このようにビジネスモデルをつくることが、土佐山の人々を守り、また土佐山という地域を未来に繋いでいくことにもなっていく。

 

こうして一つの地域が守られるということは、その地域以外の未来も守ることになる。当たり前のことだけれど、私たちは食べ物がなければ生きていくことができない。その食べ物は、農家の方をはじめ、作る人がいてこそ享受できるものが多くある。

 

その根底として、夢産地のように、有機農業によって健康な土地を保ち、所得を上げるビジネスモデルの構築といったことは、地域の持続可能性になる。

 

それは、土佐山地域に限らず、それ以外の地域の人びとが、今を、そして未来を生きていくために必要不可欠なことなのだ。

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こだわりのジンジャーエール

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夢産地の目玉商品「土佐山ジンジャーエール」は、土佐山産の有機生姜をふんだんに使用している。その味は、飲んだ瞬間に体が熱くなるほどに生姜を感じるものだ。

 

原料となっている生姜は、栄養価の高い土壌から生まれる有機作物であるだけに、味も濃い。生姜自体が入っていないジンジャーエールも多くある中で、「土佐山ジンジャーエール」にはそんな特別な生姜が一本に約30グラムも入っている。

 

生姜は栽培の過程で病気にかかりやすいという特徴がある。そのため、土佐山で育てる際もいくつかの土壌をローテーションして作っている。

 

同じ環境ではないため、毎年甘さや辛さが異なるが、それは自然に近い有機栽培で育てるからこそ。それを「土佐山の生姜の味」だと白石さんは言う。

 

生姜から栽培しているような、いわゆる“クラフトジンジャーエール”を作っているメーカーは他にほとんどなく、「土佐山ジンジャーエール」は、夢産地のこだわりが凝縮された他にはないとても稀有な存在なのだ。

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夢産地とさやま開発公社の

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​\Crazy Abou土佐考案/

​WRITER

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三谷真依子

Mitani Maiko

高知県出身。東京都在住の大学生。
最近のブームはポテトサラダを作ること。悩みはきゅうりと玉ねぎに。温もりはゆでたまごに。愛情はじゃがいもに。さすれば大体解決我が人生。

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